イーサリアムの適正価格を考察した

イーサリアムの価格低下がとまりません。特にBTCに対する値下げが大きく目立ちます。今回の記事ではイーサリアムの適正価格について考察します。

1.前提条件:ETHは価値の保存手段ではない。

 ビットコインは価値の保存手段として機能しています。現在ビットコインが安定的にマイナーによって運営されており、改ざんできない仕組みや発行上限が決まっていることなどから、価格が形成されています。ビットコインには決済以外のユーティリティがほぼなく、価値の保存手段としてのみの価格形成と考えて差し支えないでしょう。そして少しずつビットコインに価値を感じる人は増加しており、今後数年は価値の保存手段として機能する可能性が極めて高いです。

 一方でイーサリアムはどうでしょうか。イーサリアムはPOSという仕組みで運用されています。これはどういうことかと言うと、すでにイーサリアムを大量に保有している人がイーサリアムを吸い上げる仕組みになっています。また発行上限はなく現在も発行され続けています。さらにイーサリアム財団というものが存在し彼らが大量のイーサリアムを保有し売却し続けています。また過去にはイーサリアム運営上都合の悪い出来事が起こるとロールバックを実施し取引をなかったものとしたこともあります。イーサリアムの行動原理として自分達、既存ホルダーがいかに得をするかということを重視しているのが隠しきれていません。このような性質から新たに資産を安全な場所で保管したいと思う人がイーサリアムを選択する選択肢はありません。イーサリアムを保有したとして、既存の自分より大量にイーサリアムを保有している人に価値を吸い取られ続けます。イーサリアムを単純に保有するだけでは価値が目減りしていくのです。

2.ETHの価格形成は何で決まるか。

 ETHは価値の保存手段にはなり得ないことは既に説明しました。ではイーサリアムの価格をどのように推計すれば良いか思うことを書きます。まず初めに釈明させていただきますが、今後ビットコインバブルが起きれば過去の連想からビットコインの資金がETHへ流れ価格が一時的にパンプされることはおきえると思います。しかしそれはあくまでも一時的なものであり、ここで述べる価格形成というのは今後10年くらいかけて緩やか、もしくはどこか特異点で急激に起きるだろうというものです。
さて。本題に入るとイーサリアムの価格形成はズバリ、ユーティリティトークンとしての価格形成となるでしょう。ユーティリティトークンというとイメージできないかもしれませんが、イーサリアムを使用するにはイーサリアムをガス代として消費する必要があります。人々はガス代を支払うためにイーサリアムを保有しなければならないのです。イメージとしては電車に乗る時に必要な分をSUICAにチャージして乗りますよね。そのようにある分野に特化してお金を使うには事前に特定の形へお金を変換しておく必要があるのです。

3.イーサリアムの価格考察

少しイーサリアムについて肯定的な意見も述べるとイーサリアムには実用性はあります。現在様々なスマートコントラクトが作られていますが、現状では一番分散されており、最も有望なスマートコントラクトです。しかし、それは現状でありSOLANAやSUIなど新興のスマコンにシェアを奪われ続けています。主な原因はガス代の価格の安さです。牛丼屋のように多少個人の好みはあれどどれも似たり寄ったりな商品なので最後は価格競争になります。現在、ファントムウォレットでsolanaを送信すると0.01ドル程度の手数料がかかります。よって、SOLANAを使用したい人は最低でも0.01ドル分のSOLを保有しなければなりません。ETHの送金手数料はL2などを開発しSOLANAに対抗したことでなんと0.0002ドル程度まで下がっています。イーサリアムを使いたい人は最低0.0002ドル分のETHをウォレットに入れておく必要があります。それではどれだけの量のイーサリアムを準備しておけば良いでしょうか。仮に1日に3回送信するとして一年分を確保しようと思うと、大体1100回分のETHを保有すれば良いです。価格にすれば0.22ドルです。多くの人にはこれで足りるでしょう。では最大の見積もり世界の80億人がイーサリアムユーザーとなり必要なイーサを確保した場合。0.22✖️80億でイーサリアムの時価総額は17.6億ドルとなります。

これがイーサリアムのユーティリティトークンとしての価値です。これは現在のイーサリアムの1000分の1以下の時価総額です。

よって
1ETH=現在の1000分の1=1.7ドル
が適正な価格であり、今後10年くらいでこの価格を目指すと筆者は予想します。

4.考察して思ったこと
送信手数料が0.0002ドルって安いと思うかもしれませんが、筆者としてはまだまだ高いと思っています。なんでデータを送るだけでお金を払わないといけないのでしょうか。Eメールで無料でメッセージや容量のあるファイルも送れますよね。なぜETHにお金を払う必要があ流のでしょうか。銀行送金も回数制限はあるものの無料の銀行も存在します。完全にETHは現在の社会からも劣後しています。唯一の利点は新興プロジェクトのトークンが扱われ(通称:草コイン)ていることですが、これ自体ほとんどの人が損をし規模が現在より縮小していく流れとなっています。スマコンという分野自体が数年後に風前の灯となっている可能性もあるのです。

追記

ビットコインには完全に社会にとって新しい存在であり、人々に必要とされるものです。今人々は各国の発行する通貨に疑問を感じています。今後もこの流れが止まることはないでしょう。通貨の信用が失われている以上、手数料を支払ってでもビットコインで決済して欲しいと思う人は増えるでしょう。例えば、あなたが日本で商売しているとして、アルメニア国のドラム紙幣で支払いたいと言われたらどう思うでしょうか。絶対に嫌ですよね。日本で使えないし、日本円に替えるにしても手間と手数料がかかる。通貨の信用が失われるということはこういうことです。米国ドルにしろ日本円にしろ通貨の信用が失われる方向にいく以上、受け取ってくれる相手が少なくなって行きます。それに伴って両替の手数料も増加していきます。それならばビットコイン決済を利用したほうが双方にとってメリットが生まれます。両替手数料通常1.5%をクレジット会社ではなく店とお客の間に残すことができるからです。またライトニング決済を利用すれば送金手数料はほぼメリットにかき消されます。

イーサリアムの行っていることはどうでしょうか。勘違いしている人がいるかもしれないので敢えて言わせていただきます。イーサリアムは現在時点では革新的なものを何も生み出していません。(現在時点です。本来、新しいものがキラーコンテンツを獲得するまでに時間がかかることが常なので現在時点で生み出していないことが大きなマイナスではないのですが、現在時点で既に替えの効かないプロジェクトだと勘違いしている人が多いと思うので敢えて言わせてもらいます)

現在、イーサリアムの行っていることの主なものはNFTの売買でしょうか。しかし、NFTの画像自体は各発行団体が管理しており、その管理団体が消滅すればNFTの画像も表示できなくなります。ゲームでNFTを利用するなんて話しも既に登場していますが、やっていることはこれまでのゲームが行ってきたアイテムの販売と何ら変わりありません。唯一の違いといえばユーザー間での売買が外部プラットフォームで簡単にできることですが、賭博罪の可能性やゲームバランスの調整から多くの会社が禁止しているリアルマネートレード(RMT)をできるようにしているだけで、無法状態にあるだけです。かつて日本で規制が緩かった頃は普通に売買されていました。

草コインプラットフォームのdefiはどうでしょうか。ここで売買されるものは本当に実行されるかもわからないホワイトペーパーのトークンや、本来なら株式として規制されるべきガバナンストークンなどです。これらも、新しい技術として現在様子見されているだけで、今後何十年も詐欺まがいなことが続いて社会が放置するとは思えません。行っていることは既存社会を効率的にしているように見せかけているだけです。本当の姿はプロジェクトを信用した多くの人が損失を被っているという事実です。

現状でイーサリアムは、何も革新的な変化を社会にもたらしておらず、社会の法律の抜け穴を利用して人々の欲望を満たしているだけです。

今後に期待する気持ちも分かりますし、投資とはそういうものですが。現状の認識は間違えないようにしましょう。

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