ビットコインETFが米国で承認されました。今回はこのニュースに関してFIREを目指す個人として、そして個人FXトレーダーとして、今後起きる変化に関する見解をまとめたいと思います。
1.ビットコインのボラティリティが減少する。
短期的な激しいビットコインの値動きが起こりにくくなることが想定されます。この傾向は2017年から2024年に至るまでの間でもみられました。正確な数は数えていませんが、2017年前後は瞬間的にビットコイン価格が30%下落するというようなことが何度もあったように記憶していますが、2022年以降で瞬間的に30%下落するようなことはほぼなかったように思います。あってもせいぜい20%の下落でした。この値動きの減少が、ビットコインETFの承認により、さらに顕著になっていくのではないかと思われます。
一方で瞬間的な値動きは減少していますが、これまで、半減期のサイクルによる値動きは減少していませんでした。2017年から2019年では感覚値ベースで20000ドルから4000ドルへと80%下落しています。2021年から2022年には68000ドルから17000ドルへと75%下落しています。今後ETFの登場により株式を好んで購入していた層がビットコインを保有することになり、長期的な投資の割合が増加するため、半減期サイクルでの値動きも減少するのではないかと思います。あえて予想するのであれば、特にニュースなどなくサイクルだけでみたときに50%程度の値動きにとどまるのではないかと考えています。具体的には2025年に12万ドルの高値をつけ6万ドルまで下落するイメージです。しかし、あくまでもニュースがない前提の話であり、リーマンショックのような金融危機が起これば株式市場も50%近く下落するわけで、そのようなときにはこれまでと同じように80%近い下落を経験することになるかもしれません。よって、実用的には半減期サイクルでの値動きが小さくなることを前提の心構えとして、万一80%近く下落した際には一時的な底値と判断し購入していくというスタンスで捉えておくべきものになるかと思います。
2.ビットコインの価格が上昇する
数年単位の時間軸でビットコインの価格が上昇する可能性が高いと思います。いまだにビットコイン=怪しい、ギャンブラーというイメージを持たれていると感じていますが、ビットコインのイメージが良くなることは間違いないです。金に投資するレガシーな人と同等な扱いを受けることになるでしょう(期待込み)。これまでビットコインを避けていた層がビットコインを購入するきっかけになるでしょう。
3.ビットコインのリスクが増す。
これまでビットコインにポジティブな意見を述べていましたが、ビットコインETFの負の側面に焦点を当ててみたいと思います。ビットコインの価値はビットコインの保有が分散されていることで、特定の個人や団体の影響力が少ないことがありました。ビットコインETFはほとんどそのすべてで保管業者をコインベースという米国の民間企業に委ねています。多くの人がビットコインETFを好んで買うようになると、大半のビットコインがコインベースによって管理されることになります。これは非常に危険です。ビットコインは頻繁にハッキングで失われたりすることがあります。これまで保有が分散していたため一部のビットコインがハッキングされても全体に影響を及ぼしませんでした。これがコインベースが万一ハッキングされ大量のビットコインをハッカーという犯罪者が手に入れたらどうなるでしょうか。そのようなものを通貨として採用したい国が増えるでしょうか? ビットコインの価値が損なわれる。下手をすると0に近づく危険性が存在します。これまでビットコインETFが登場しなければ存在しなかった単一点のリスクがビットコインETFにより誕生したのかもしれません。リスクはハッキングだけでありません、世界大戦などが勃発し米国が覇権を握るために米国企業であるコインベースを武力で差し押さえ、大半のビットコインを支配することも可能になります。可能性の大小ではなく、これまで存在し得なかった負の側面が誕生したのです。世界が混沌としたときにこそ活躍するはずの非中央集権の象徴であるビットコインが、強権的な中央集権によって破壊できる可能性が誕生してしまったのです。私は死ぬまで必要金額以上にはビットコインは売らずに保有しようと考えたときもありましたが、ビットコインETFの発展とともにこのようなリスクが増大していくため、資産を分配させる必要性が増加したと考えています。
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